認知症の介護#1 地元?に帰る

母親が軽度の認知症と診断されて、一緒に病院に行く事になった
幸い、そこまで進行していないとのことで少し安心したが、
母親は酷く落ち込んでいた
それはそうだろう、、、

今まで出来ていたことが、少しずつ出来なくなっていく、、、
今朝何をしたのか思い出せない夜がある、、、
外出先で自分がどこにいるのか分からなくなる瞬間がある、、、

これは物凄いストレスと恐怖だろうということは想像に難くない

それが2020年の春頃のことで、ちょうど?コロナでリモートワークが進み
働く場所を選ばなくても良くなったこともあり、

秋になった頃
実家に戻って一緒に生活をしてみよう!
と思い立った

そこからは、借りていた家の退去や実家に戻るにあたって車の用意など
やる事が次々に出て来てすぐに時間が過ぎて行った

高校を卒業して、すぐに実家を出て20年弱
もはや地元は地元ではなく、住み慣れた東京の方が地元のような感覚の中
戻ってみた地元はやはり、地元ではなかった

小学校、中学校、高校はそのままあったが、
小学校の時の友人が住んでいた長家(現在もそういう家はあるのだろうか)は無くなり、
地主さんの家として建て替えられていた

同じく一緒に公園で遊んでいた友人が住んでいた団地は、
記憶の通りなら多くの家族が住んでいて夜になると窓に灯りが灯っていたが、
ドライブついでに見に行ってみたところ、窓の灯りはまばらだった

部活帰りに買い食いをしていた駄菓子屋は廃業していて、
知人の両親が営んでいた肉屋もシャッターが降りたままになっていた

一番近くの栄えている駅は、駅前に知らない大きな建物が建っていて、
知っている方の大きな建物は一部のテナントを残し営業をしていなかった

知り合いが働いていた店、よく通っていた古着屋や雑貨屋も別の店になっていて

地元は全く地元ではなくなっているという現実だけが、そこに在った

たまに地元に帰って来た時に飲みに行っていた店が1軒
そこ以外は全く知らない街
「どうやって楽しく暮らしていこうか、、、」という事を考える日々が始まった

母親の認知症の程度も分からない状態だったが、そこまで不安を覚えていなかったのは覚えている

「どうやって楽しく暮らすか」

2020年の10月、ただただ、これが一番大きな課題だと考えていた

#2はこちら

#3はこちら

タイトルとURLをコピーしました